トイレ詰まりの犯人は意外なアレ!?キッチンペーパーは流しちゃダメ!
目次
キッチンペーパーはなぜ詰まる?
トイレットペーパーとの違い
トイレットペーパーは、JIS規格で「ほぐれやすさ試験」が規定されており、100秒以内にほぐれるよう定められています。なぜなら、使用後に速やかに水に分散される必要があるからです。一方、ほとんどのキッチンペーパーは、この規格に適合していません。そのため、便器や排水管内部で水分を含んでも容易にはほぐれず、塊のまま留まってしまうのです。
キッチンペーパーの繊維の特性
キッチンペーパーの強靭さの秘密は、繊維の長さと、湿潤紙力増強剤にあります。主に、針葉樹由来の長い繊維を使用しているため、繊維同士の絡み合いが強固になっています。さらに、メラミン樹脂などの湿潤紙力増強剤が、繊維同士を強力に接着し、水に濡れても破れにくい構造を形成します。その結果、水流ではなかなかほぐれず、排水管内に留まり詰まりの原因となります。本来は、使用目的である台所での拭き取りや、油切り作業には適しています。しかし、その特性がトイレでは裏目に出てしまい、水流では分解されず、配管内に留まり、詰まりの原因となります。一般的なキッチンペーパーの引張強度は、乾燥時で縦方向5N/15mm、横方向2N/15mm程度。湿潤時には、その70%程度の強度を保ちます。
トイレに流すと起こるリスク
トイレにキッチンペーパーを流すと、排水管が完全に閉塞してしまう深刻なトラブルに発展する可能性があります。こうして、汚水が逆流し、トイレやその周辺が不衛生な状態に陥るかもしれません。そうなると、専門業者への依頼が必要となり、修理費用として数千円から数万円の出費を覚悟しなければなりません。具体的には、軽度の詰まり除去で8,000円~15,000円、便器脱着を伴う作業では25,000円以上かかることも。さらに、修理が完了するまでの間、トイレを使用できない不便な時間も発生します。例えば、家族4人がそれぞれ2時間トイレを我慢する状況を想像してみてください。
キッチンペーパー以外の詰まり原因
大量トイレットペーパーの使用
トイレットペーパーも、過剰な使用は詰まりの引き金となります。特に、水に溶けにくい厚手のタイプや、香料・保湿成分を含む高級なタイプは注意しましょう。例えば、1回の使用量が3メートルを超えると、リスクが高まります。節水トイレではさらに注意が必要で、従来型の約半分の水量である4.8リットルでは、流しきれない可能性が。そのため、数回に分けて流す、水量を調節するなどの工夫が重要です。
固形物・異物の落下
固形物や異物の落下は、トイレ詰まりの典型的な原因です。特に、スマートフォン(約150g~200g)、子供のおもちゃ(例:プラスチック製ブロック約5g~50g)、芳香剤の容器(約50g~100g)などは、一度落下すると排水路を塞ぐ可能性が高いです。他にも、おむつ、生理用品、掃除シートは、水分を含むと膨張する特性があるため、非常に危険です。絶対に流さないようにしましょう。これらは、排水管内で数倍から数十倍に膨らみ、完全な閉塞を引き起こす可能性があります。
節水による水圧不足
節水は環境保護に貢献しますが、トイレ詰まりのリスクを高める側面もあります。なぜなら、節水トイレは従来型と比べて水量が約半分で4.8リットルであり、排水管内の固形物を押し流す力が弱まるからです。特に、築年数の古い建物では、排水管の勾配が緩やかな場合があり、さらにリスクが高まります。そのため、適切な水量設定や、定期的な点検・清掃が重要です。具体的には、大洗浄の水量を6リットル以上に設定する、月に一度はバケツで10リットル程度の水を流して管内を洗浄するなどの対策が有効です。
自分でできる詰まり対処法5選
ラバーカップの使用方法
ラバーカップ(スッポン)は、正しく使えば強力な効果を発揮します。まず、便器内の水位を調整し、カップが完全に水に浸るようにします。次に、排水口にカップを密着させ、空気が入らないようにします。ポイントは、ゆっくり押し込み、勢いよく引くことです。これを数回から十数回繰り返すことで、多くの詰まりが解消されます。ラバーカップは、ホームセンターで600~3,000円ほどで購入できます。使用後は、汚れを洗い流し、しっかり乾燥させましょう。ラバーカップは安価で入手できるため、各家庭に一つ常備しておくことをおすすめします。購入する際は、お椀型の他に、ツバの付いた「節水型トイレ用」や、水鉄砲のような仕組みの物など、用途に合わせて様々な種類があるため、自宅のトイレに合ったものを選びましょう。
お湯とバケツを使う方法
40~60℃のお湯は、トイレットペーパーや排泄物を効率的にふやかす効果が期待できます。ポイントは、60℃以上のお湯は便器を傷める可能性があるため避けることです。バケツで5~10リットルのお湯を、高い位置からゆっくりと注ぎ入れ、30分から1時間放置します。その後、水位が下がっていることを確認し、バケツで再度水を注ぎ、流れれば成功です。ただし、固形物による詰まりには効果が薄いでしょう。熱湯は、ひび割れの原因になるため絶対に使用しないでください。
ワイヤー式パイプクリーナー
ワイヤー式パイプクリーナーは、排水管の奥深くで発生した詰まりに有効な専門的な道具です。使い方は、ワイヤーを回転させながらゆっくりと排水管の奥へと挿入していきます。詰まりの原因に当たったら、ワイヤーを前後に動かしたり、回転させたりして、詰まりを崩したり絡め取ったりします。ただし、ワイヤーが排水管を傷つける可能性があるため、慎重な作業が求められます。作業後はワイヤーをよく洗い、防錆油を塗布して保管しましょう。ホームセンターで1,000~5,000円ほどで購入できます。長さや太さなど、種類が複数あるため、自宅のトイレの排水管の形や大きさに合ったものを選びましょう。購入する際は、バネ部分の強度なども確認することをおすすめします。
業者依頼のタイミングと費用相場
自分で対処できない場合
ラバーカップや、お湯、ワイヤー式パイプクリーナーを使用しても詰まりが解消しない場合、つまりはさらに深刻な状況かもしれません。例えば、固形物が排水管の奥深くに詰まっている、複数の異物が複雑に絡み合っているといったケースです。このような状況で、無理に作業を続けると、排水管を損傷させたり、汚水を溢れさせたりする危険性があります。症状が悪化する前に、専門業者に依頼しましょう。
業者依頼時の費用相場
トイレの詰まり修理を業者に依頼した場合、料金は8,000円~15,000円程度が相場です。ただし、これはあくまでも基本料金であり、詰まりの程度、作業内容、時間帯(夜間・早朝)、地域などによって料金は大きく変動します。例えば、便器の脱着作業が必要な場合は追加で10,000円〜15,000円、高圧洗浄機を使用する場合はさらに15,000円〜30,000円の追加費用が発生することも。さらに、部品交換が必要な場合は、部品代が別途かかります。また、深夜料金は基本料金の30%増しになることも。そのため、依頼前に複数の業者から見積もりを取り、料金体系を明確にすることをおすすめします。
トイレ詰まりを未然に防ぐ
正しいトイレの使い方
トイレの正しい使い方を家族全員が理解し、実践することが、詰まり予防の第一歩です。特に、小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、トイレの使い方を絵や写真で分かりやすく示すなどの工夫も効果的です。
- トイレットペーパー以外のもの(キッチンペーパー、ティッシュペーパー、おむつ、生理用品、ペット用トイレシートなど)は絶対に流さない。
- トイレットペーパーは、一度に大量に流さず、数回に分けて流す。(1回の適量は約2メートル)
- トイレ使用後は、十分な水で流す。 これらのルールを徹底しましょう。また、トイレ内に「流せるもの、流せないもの」リストを掲示するのも有効です。
定期的なメンテナンス
トイレの排水管は、定期的なメンテナンスによって、詰まりのリスクを大幅に減らせます。例えば、月に1~2回、バケツに10リットル程度の水を入れ、勢いよく流すことで、排水管内の汚れを洗い流すことができます。さらに、年に1回は、専門業者による高圧洗浄(費用相場:15,000円~30,000円)を依頼すると、より効果的です。また、排水管洗浄剤(1,000円~3,000円程度)を定期的に使用することで、詰まりの原因となる汚れの蓄積を防げます。しかし、これは強い薬剤なため、使用時には、必ず換気を行い、直接肌に触れないように注意が必要です。
節水トイレ使用時の注意点
節水トイレは環境に優しい反面、詰まりやすいというデメリットを理解しておく必要があります。これは、水量が約半分(従来型:8~13リットル、節水型:4.8リットル)しかないためです。特に、固形物を流す際は、十分な水量で流すように設定を変更する(例:小洗浄から大洗浄へ切り替え)、「大」洗浄の流量を通常より0.5〜1リットル多めに設定するなどの対策が求められます。また、節水トイレ対応の、水に溶けやすいトイレットペーパーの使用も効果的です。
トイレに流してはいけない物を流さない、適切な量を流すというような、排水管への配慮が必要です。
よくある質問
キッチンペーパーをトイレに流してしまったのですが、どうすれば良いですか?
少量であれば、多めの水で何度か流してみて様子を見ましょう。しかし、水が流れにくい、水位が上がるなどの症状がある場合は、無理に流そうとせず、ラバーカップの使用を試みてください。ラバーカップを使用する際は、排水口に密着させ、勢いよく押し引きします。それでも解消しない場合は、専門業者への依頼を検討してください。無理に作業を続けると、状況を悪化させる恐れがあります。業者依頼の費用は、8,000円からが相場です。
トイレの詰まりを予防する効果的な方法はありますか?
はい、効果的な予防法はいくつかあります。まず、トイレットペーパー以外のものを流さないことが最も重要です。次に、トイレットペーパーも一度に大量に流さないようにし、こまめに流しましょう。また、定期的にバケツで多めの水を流したり、排水管洗浄剤を使用したりすることも効果的です。月に1~2回、バケツに10リットル程度の水を入れ、勢いよく流してください。特に節水トイレを使用している場合は、水量設定を適切に調整しましょう。
節水トイレは詰まりやすいと聞きましたが、本当ですか?
はい、節水トイレは従来型のトイレに比べて水量が少ないため、詰まりやすい傾向にあります。これは、水量が少ないと、排水管内の汚物を流しきる力が弱くなるからです。従来型が1回あたり8~13リットル流すのに対し、節水型は約半分の4.8リットルです。そのため、節水トイレを使用する場合は、こまめに流す、水量を「大」にする、節水トイレ用の溶けやすいトイレットペーパーを使用するなどの工夫が必要です。
自分でトイレの詰まりを直すのと、業者に依頼するのとでは、どちらが良いですか?
軽度の詰まりであれば、ラバーカップなどを使って自分で対処できる場合もあります。これは、ホームセンターで600~3,000円ほどで購入できます。しかし、固形物が詰まっている場合や、何度試しても解消しない場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。無理に作業を続けると、排水管を傷つけたり、汚水を溢れさせたりする危険性があります。業者依頼の費用は状況によって異なりますが、8,000円からが相場です。