築10年過ぎたら知っておきたい「修理 vs リフォーム」の賢い判断基準。後悔しないための選択とは

「わ、どうしよう!キッチン(お風呂)から水漏れが…!」

今、まさにトラブルの真っ最中で、ポタポタ落ちる水音を聞きながら、頭が真っ白になっているかもしれませんね。大丈夫ですよ、まずは深呼吸してください。

業者さんを呼んだら、「あー、これ古いタイプですね。修理もできますけど、もう10年以上経ってるから交換(リフォーム)もできますよ」なんて言われて。

「修理なら5万円、リフォームなら50万円…?」(今この5万円を払うのも痛いのに、50万円なんて!)

(でも、今修理しても、どうせ来年また別の場所が壊れるんじゃ…)

(夫に相談したら『高い』って言われそうだし、どう説明しよう…)

その悩み、あなただけじゃありません。多くの方がその岐路に立たされます。実は、元リフォームアドバイザーとしての経験から言わせていただくと、その「とりあえず5万円で修理」という一見”堅実”な選択が、長い目で見ると一番の”無駄遣い”になってしまうケースが本当によくあるんです。

この記事では、あなたが「10年後に後悔しない」ための、そして「家族みんなが笑顔になる」ための判断基準を、どこよりも分かりやすくお伝えします。5分で読めますから、業者さんの最終見積もりを待つ間に、一緒に不安を解決しましょう!

【結論】築10年が分かれ道。「修理」と「リフォーム」どちらが賢い?

まず結論から申し上げます。もし、あなたの家の水回り(キッチン、お風呂、トイレ)が製造から10年以上経っているなら、目先の金額に惑わされず、「リフォーム」を真剣に検討すべきです。

「え、でもリフォームって50万円とか100万円とか、高額じゃない」と思いますよね。もちろんです。緊急時にポンと出せる金額ではありません。

しかし、私が「リフォーム」をおすすめする理由はただ一つ。その方が「トータルコスト(生涯でその家にかける総額)」で見たときに、圧倒的にお得になる可能性が高いからなんです。

これは精神論ではなく、単純な「算数」の問題です。

例えば、15年物の機器を5万円で修理しても、メーカーが修理部品を保管している期間(通常約10年で終了)も過ぎている可能性があり、また別の箇所が明日壊れるかもしれません。その場しのぎの出費を繰り返すか、一度で根本解決するか。その”カラクリ”を、次の章で詳しくご説明しますね。

その修理、危険かも?「修理貧乏」の落とし穴

私が一番避けてほしいのは、お客様が「修理貧乏」になってしまうことです。

これは、家電をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。水回りの設備も精密機械です。特に給湯器や食洗機、高機能トイレなどは、10年を過ぎると、パッキンや電子基板など、目に見えない無数の部品があちこち寿命を迎えます。

修理貧乏のパターン:「モグラ叩き」の恐怖

ここで、5万円かけて蛇口の部品Aを修理したとします。しかし、本当は部品Bも部品Cも劣化寸前だったとしたら…?

  • 1年目(今年): キッチンの蛇口修理(5万円)
  • 3年目: 今度は給湯器がエラー表示。修理に7万円。
  • 4年目: 結局、給湯器が完全に故障し交換(30万円)
  • 5年目: トイレのタンクから水漏れ、部品がなく結局交換(15万円)

これでは、まるで「モグラ叩き」ですよね。

気づけば、中途半端な修理と交換に合計57万円も払っていた…。

【図解】「10年」が交換のサイン!水回り設備の”本当の寿命”

多くの水回り設備は、メーカーが「安全に使える期間」として「設計上の標準使用期間」を10年と定めています。また、東京ガスの調査でも、10年を境に「修理」より「交換」を選ぶ人が増えることがわかっています。

設備の種類 メーカーが定める
設計上の標準使用期間
一般的な交換目安
ガス給湯器 10年 10〜15年
浴室暖房乾燥機 10年 10〜15年
トイレ ※部品は10年〜 10〜15年
洗面化粧台 10〜15年
システムキッチン 15〜20年
ユニットバス 15〜20年

重要: 10年を過ぎると「修理部品の製造が終わっている」可能性もあり、修理自体ができなくなるリスクも発生します。

実際の例: 私の親戚も、築18年の実家で「もったいないから」と給湯器の修理に8万円をかけたのですが、結局その1年半後に基盤が壊れて交換になり、「あの8万円、本当にドブに捨てたみたい…」と肩を落としていました。

もし5年前に思い切って水回りをまとめてリフォームしていれば、セット割引も効いて、その57万円は丸ごと”無駄金”にならなかったかもしれません。

実は、トラブルは「絶好のチャンス」です

「リフォームなんて、そんな大事(おおごと)にしたくない…」「贅沢してるみたいで、気が引ける…」

わかります。そのお気持ち、痛いほど。特に緊急時だと、「元の生活に戻れればそれでいい」と思ってしまいますよね。

【グラフ】リフォームの「きっかけ」第1位は”老朽化・故障”

「トラブルに乗じてリフォームなんて…」と思うかもしれませんが、安心してください。住宅リフォーム推進協議会の調査によれば、リフォームの最大の動機は「老朽化・故障」です。

Q. あなたがリフォームを検討した「きっかけ」は何ですか?

住宅が古くなった・壊れた
41.9%
使いにくさの解消
28.3%
省エネ化・節水
18.7%
美観・デザイン
11.1%

出典: 住宅リフォーム推進協議会「2023年度 住宅リフォームに関する消費者実態調査」

このデータは、「今、水漏れで困っている」あなたの背中を押してくれるものです。「仕方なく」ではなく、「皆がそうしている賢い選択」としてリフォームを捉え直すことができます。

でも、少しだけ冷静になって考えてみてください

その古い水回り、前から「ちょっと使いにくいな」「お風呂が寒いな」「掃除が面倒だな」と思っていませんでしたか?

今回のトラブルは、その長年のプチ不満を解消する「絶好のチャンス」かもしれないんです。

最新のリフォームは”贅沢”ではなく、”堅実な一手”

それに、最新のリフォームは”贅沢”とは違います。むしろ、これからの家計と家族の暮らしを守る“堅実な一手”なんですよ。

【図解】「どうせなら快適に!」が本音。最新リフォームの節約効果

実は、リフォーム経験者のうち37.8%が、「設備を当初よりグレードアップした」ために予算が上がったと回答しています。これは、「どうせなら快適にしたい」という”本音”の表れです。

そして、その「グレードアップ」は、未来の「節約」につながります。

20年前の設備 vs 最新設備の節約シミュレーション

比較対象 従来品(約20年前) 最新設備(2025年現在) 4人家族の年間節約効果
トイレ 大洗浄 13L/回 大洗浄 3.8L/回 約 −15,000円
浴室シャワー 従来型シャワー 節水型シャワー 約 −20,000円
(ガス代含む)

※出典:TOTO「水道代シミュレーション」、LIXIL「エコアクアシャワーシミュレーション」に基づく試算値

年間35,000円の節約という数字が、ご家族(ご主人)を説得する強力な材料になります。

最新設備への「グレードアップ」は「贅沢」ではなく、光熱費高騰の時代における「未来への投資」です。

その他の「快適さ」による価値

  • 浴室暖房付きのユニットバス: 冬場のヒートショック(急激な温度差による心筋梗塞など)は、交通事故より遥かに多くの人が亡くなる危険なもの。これを防ぎ、ご両親や家族の安全を守れます。
  • 食洗機付きシステムキッチン: 1日30分の皿洗いから解放されると、1年で182時間。その家族と過ごす時間は、プライスレスですよね。

これは「私がラクしたいから」という「贅沢」ではなく、「家計を節約する」ため、「家族の安全と時間を守る」ための、賢い“大義名分”がある選択だと思いませんか?

「決めるのが面倒…」な、あなたへ。プロ厳選「リフォーム判断」3つの質問

とはいえ、緊急時に「リフォーム会社を選んで、製品を選んで、色を決めて…」なんて、本当に面倒ですよね。もう「誰か決めて!」と言いたくなるお気持ち、よくわかります。

多くの業者は「あれもこれも」と分厚いカタログを見せてきますが、忙しいあなたが今知りたいのは「我が家の場合は、何が正解?」という答えだけのはず。

そんなあなたは、多様な選択肢を今すぐ見る必要はありません。たった3つの質問に「はい」「いいえ」で答えるだけで、あなたが今どちらを選ぶべきか、スッキリ見えてきますよ。

【リフォーム判断 緊急チェックリスト】

1
築(または前回の交換から)10年以上経っているか?
2
(目の前の修理代を見て)「今これを払っても、またすぐ壊れそう…」と一瞬でも感じたか?
3
(今回のトラブル以外に)その場所の「寒さ」「使いにくさ」「掃除の面倒さ」に不満があるか?

▼ 診断結果 ▼

YESが0個: 今回は「修理」でOK! +

無理にリフォームを考える必要はありません。まずは目の前のトラブルを解決しましょう。ただし、1年に1回程度は給湯器やトイレの状態をチェックすることをおすすめします。

YESが1個: 「リフォーム」の検討時期です +

修理で応急処置はしつつ、「もしリフォームしたら?」の見積もりだけでも取ってみることをおすすめします。

比較検討することで、客観的な判断ができますし、「実は修理の方が得」という判断もあれば、「やっぱりリフォームの方がいい」という結論も見えてきます。

YESが2個以上: 迷わず「リフォーム」を強くおすすめします! +

今修理しても、高い確率で近いうちに後悔する(=修理貧乏になる)可能性があります。

まずは「我が家に最適なプラン」だけをプロに提案してもらい、判断材料を集めることから始めましょう。

焦る必要はありません。修理で応急処置しつつ、1週間〜2週間かけてゆっくり見積もりを比較検討することが、後悔しない選択につながります。

リフォームは「出費」じゃない。「お家の価値」を守る”投資”です

最後にもう一つだけ、これが一番重要かもしれませんが、戸建てにお住まいのあなたに一番知ってほしいことです。

賃貸マンションと違い、そのお家はあなたご家族の大切な「資産」ですよね。

目先の修理でごまかし続けるのは、例えるなら「お家の”健康診断”を無視して、痛み止めの薬(修理)だけでしのいでいる」状態なんです。見えない壁の内側や床下で、配管の老朽化や、湿気による土台の腐食が静かに進んでいるかもしれません。

残念ながら、家の価値は、築年数と共に下がっていきます。

でも、適切な時期にリフォーム(メンテナンス)という“投資”をすることで、その資産価値の低下を食い止め、むしろ価値を上げることだってできるんです。

これは、将来お家を売却する時や、お子様に相続する時の評価額に直結します。

「出費」ではなく、10年後、20年後も家族が安心して暮らすための「未来への投資」。

そう考えると、リフォームの見え方が少し変わりませんか?

今、あなたがすべき「賢い行動」とは

ポタポタという水音と、業者さんからの見積もりを前に、不安な中ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。もう、あなたの頭の中はかなり整理されているはずです。

「修理か、リフォームか」その決断で一番怖いのは、お金を払うことそのものより、数年後に「あの時、なんでケチっちゃったんだろう…」と後悔することですよね。

一家の家計と暮らしを預かる者として、あなたが今すべき賢い行動は、「両方の可能性を天秤にかける」ことです。

つまり、今この場で契約することではありません

まずは「修理した場合の費用」と「リフォームした場合の費用と、それによって得られる未来(節約額や安全性)」を、両方プロに見積もってもらうこと。これが鉄則です。

それからご家族に相談するんです。

NG例:「リフォームしたいんだけど、50万かかるって…」(お伺い)

OK例:「相談なんだけど、今5万円で修理するのと、50万円でリフォームして、将来(節水や修理費で)60万円得するの、どっちが賢いと思う?」

これなら、ご家族も「なるほど、そういうことか」と、同じ目線で考えてくれるはずです。

あなたの「あの時の決断のおかげで、今すごく快適だね!」と10年後に家族に感謝される未来を、私たち『暮らしの羅針盤』は心から応援しています。

安心の無料サービス

すべて無料!
出張費・お見積もり料
基本料金
お見積もり後のキャンセル料

よくある質問(FAQ)

Q1. 給湯器は本当に10年で交換が必要ですか?修理で延ばせませんか? +

技術的には修理で延ばすことは可能ですが、10年を過ぎると「修理部品の生産が終了」するため、修理自体ができなくなるリスクが高まります。また、給湯器は安全に関わる設備のため、メーカーは安全使用期間を10年と定めています。12年以上使用した場合、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクもゼロではありません。「延命」より「交換」の方が、長期的には安全で経済的です。

Q2. 修理とリフォームの見積もり、どちらを先に取った方がいいですか? +

おすすめは「修理と同時にリフォームの見積もりも取る」です。なぜなら、修理業者は修理を売りたいので、「修理で大丈夫」と言いがちだからです。第三者的な立場のリフォーム会社からも意見をもらうことで、客観的な判断ができます。複数の見積もりを比較検討することが、後悔しない決断につながります。

Q3. トイレだけ、キッチンだけをリフォームするのと、まとめてリフォームするのはどちらが得ですか? +

まとめてリフォームの方が、圧倒的に得です。理由は3つ:①セット割引が適用される、②職人の出入り回数が少ないので手数料が下がる、③工事期間が短い。例えば、キッチン単独の見積もりが70万円、トイレ単独が30万円でも、一緒にやれば合計80万円程度で済むケースも珍しくありません。10年ごとのタイミングで、水回りを「まとめてリフォーム」するのが、最も経済的な選択です。

Q4. ローンを組んでまでリフォームするべきですか?修理で今はしのいだ方がいいのでは? +

これは家計状況によって異なりますが、一つの考え方として:「修理を何度も繰り返すコスト」と「ローンの月々の負担」を比較してみてください。修理貧乏で3年間に合計60万円の修理代を払うなら、ローンで50万円のリフォームをした方が、トータルコストは下がる可能性が高いです。また、最新設備なら年間35,000円以上の節約が得られるので、ローン返済に充てることもできます。ファイナンシャルプランナーや、リフォーム会社の資金計画アドバイスを活用しましょう。

Q5. リフォーム会社選びで、どこを見るべきですか?安い業者を選んでも大丈夫? +

価格の安さだけで判断することは避けましょう。重要なチェックポイント:①複数の見積もりを比較する、②施工実績(特に水回りリフォーム)が豊富か確認する、③保証期間と保証内容が明確か確認する、④営業担当者が「あなたの家の状態」を丁寧にヒアリングしているか。「予算内で最高のプラン」を提案してくれる業者が、最後には最も経済的です。相見積もりはマナー違反ではなく、正当な比較方法です。

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