トイレに流してはいけないものとは?
意外と知らない!トイレの排水システムの仕組み
トイレの排水システムは、家庭の配管を通って下水処理施設へとつながっています。本来、トイレに流してよいのは、水に溶けるトイレットペーパーと排泄物だけです。しかし、家庭によっては「流せそう」と思い込んで、さまざまなものをトイレに流してしまいがちです。実際、排水管は細く、異物が混入すると簡単に詰まることがあります。
また、トイレの排水システムは「水流の力」を利用して汚物を流す構造のため、水に溶けにくいものが混ざると、途中で引っかかりやすくなります。このため、少しの油やティッシュペーパーでも、蓄積することで配管の詰まりを引き起こします。
トイレに流してはいけないものTOP3
トイレに流してはいけないものの中でも、特に多くの家庭で誤解されているのが次の3つです。
- おしり拭き・ウェットティッシュ:トイレットペーパーと違い、水に溶けにくいため排水管で詰まりやすい。
- 生理用品・紙おむつ:水分を吸収して膨らむため、流すと詰まりの原因になる。
- 油・食品カス:配管内で固まりやすく、蓄積すると大規模な詰まりにつながる。
これらのものは、水に流れやすそうに見えても、実際には下水処理の大きな負担となります。
トイレを詰まらせるとどうなる?
トイレの詰まりは、軽度であればラバーカップ(スッポン)などで解消できますが、重度の詰まりになると業者を呼ぶしかありません。
例えば、家庭用の排水管洗浄剤では対処できないほど詰まりが悪化すると、専門業者による「高圧洗浄」や「配管の交換」が必要になります。費用は軽度な詰まりで5,000円~10,000円、重度の詰まりや配管交換の場合は30,000円以上かかることもあります。
また、排水管の詰まりが原因でトイレの水が逆流し、家の床を汚してしまうケースもあります。こうなると、修繕費だけでなく、消毒費用や床材の張替え費用まで発生する可能性があります。
トイレに流すのは絶対NG!ワースト3
【第3位】おしり拭き・ウェットティッシュ
「流せるおしり拭き」と書かれた商品もありますが、実際にはトイレットペーパーのように完全に分解されるわけではありません。特に、排水管が細い住宅では、少しずつ蓄積して大きな詰まりを引き起こすことがあります。
また、一般的なウェットティッシュは水を吸収しても溶けないため、一度詰まると手作業で取り除くしかありません。業者による作業費用は10,000円~20,000円ほどかかることが多いです。
【第2位】生理用品・紙おむつ
生理用品や紙おむつは、水分を吸収することで数倍に膨張する性質があります。トイレに流してしまうと、便器内で膨らみ、排水管に詰まってしまう可能性が高くなります。
また、吸収ポリマーは水に溶けないため、長期間放置すると悪臭を発生させたり、完全に詰まってトイレが使用不能になったりすることもあります。詰まりを解消するために業者を呼ぶと、最低でも20,000円以上の費用がかかることもあります。
【第1位】油・食品カス
料理で使った油や食べ残しをトイレに流すのは、絶対にNGです。油は冷えると固まり、排水管の内側にこびりついてしまいます。さらに、油が食品カスや髪の毛と絡み合うことで、より頑固な詰まりの原因となります。
実際、業者が排水管の清掃を行うと、大量の油の塊が詰まっているケースが多く報告されています。業者による高圧洗浄や排水管の洗浄を依頼すると、30,000円~50,000円程度の費用がかかることもあります。
トイレ詰まりを防ぐための対策とは?
トイレの詰まりを防ぐためには、流していいものと悪いものの区別をしっかり理解することが重要です。基本的に、トイレットペーパーと排泄物以外は流さないというルールを守るだけでも、詰まりのリスクを大幅に減らせます。
また、定期的に排水管を掃除することで、異物の蓄積を防ぐことができます。市販の排水管クリーナーを月に1回使用するだけでも、詰まり予防に効果的です。
詰まりが起きてしまったらどうする?
もしトイレが詰まってしまった場合、まずは以下の方法を試してみましょう。
- ラバーカップ(スッポン)を使う:軽度の詰まりであれば、これだけで解消できることが多い。
- お湯を流す:40~50℃程度のお湯を流すことで、油汚れや軽度の詰まりを改善できる。
- 市販のパイプクリーナーを使用する:詰まりの原因が軽度であれば、市販の薬剤で溶かせる場合がある。
しかし、水がまったく流れない、逆流してくる場合は、自力で解決するのは難しいため、業者に相談するのがベストです。
まとめ|正しい使い方でトイレを守ろう!
トイレは決してゴミ箱ではありません。ちょっとした油やティッシュなら大丈夫だろうと思っても、それが積み重なることで大きなトラブルにつながります。
業者を呼ぶと数万円の修理費がかかる可能性もあるため、「トイレットペーパーと排泄物以外は流さない」という基本ルールを守ることが大切です。
日頃から正しい使い方を心がけ、トイレのトラブルを未然に防ぎましょう!